こんにちは、とはのです。
今回は「在宅勤務・テレワーク」は保育園・学童の選考や利用において不利なのかについてお伝えしたいと思います。
というのも、一度でも保育園や学童の利用を考えたことがある人・利用した人であればご存知かもしれないですが、在宅勤務(テレワーク含む)は選考や利用の上で厳しい立場となることが多いです。
今回はその理由や、厳しい状況。
そしてコロナ禍が影響した今後の動きなどをお伝えします。
在宅は保育園・学童の選考時に影響を受けることも
保育園や学童の利用有無・優先順位を決めるときに参考となる点数のことを、「指数」といいます。
もしも利用希望者が定員よりオーバーだったとき、この指数が高い人順に利用が認められることになります。
在宅勤務は選考に響く場合も。選考する側の考え方
「保育・学童を利用する理由」で「就労」を理由に挙げた場合、自治体によっては勤務場所が「家庭内就労(自宅)か家庭外就労(自宅以外の場所)か」によって指数を変えていることがあります。
そして、もしも変えていた場合は、家庭内就労は家庭外就労よりも指数は低いです。
理由として、勤務場所が自宅だった場合(在宅だった場合)は、子供を見ることができる環境にある。自宅以外の人よりかは必要性が低いと判断されることが挙げられます。
たしかに日中保護者不在の家庭では、確実に子供を見ることができません。
だからといって、「保護者が家で仕事していれば子供を見ることができるのか」いえば「できない」です。
待機児童がいる地域では、どうしても優先順位をつけなくてはいけないため、このような項目があることが多いのかもしれませんが、家で作業することが多いフリーランス・個人事業主や、自宅兼店舗とする自営業の人にとっては不満の残る判定です。
それでもこうした指数の付け方が長年続いていたということは、多くの人がその問題に対して危機感を持っていない・共感していない・無関心だったといえます。
※指数のつけ方は自治体によって変わってくるので、お住まいの地域によっては勤務地が選考に響かないところもあります。
コロナ禍による影響で、在宅勤務者が急増
2020年、こうした世の中の動きに一石を投じるできごとが起こりました。
「コロナ」です。
コロナによって
- 在宅勤務・テレワークの導入が推進
- (最初の緊急事態宣言が発令)対象地域の学童や保育園は、「医療従事者や社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な者」など、ごく一部の限られた職種以外は基本利用が制限
こうした状況が出てきました。
これによって在宅勤務をしながら子供を見なくてはいけない家庭が増えたのです。
ちなみに、当時の厚生労働省の話では、テレワークの在宅勤務は登園を控える対象になっていないと明言している(『保育所等における新型コロナウイルスへの対応にかかる Q&A について(第二報) (令和2年4月9日現在)』より)ものの、多くの世帯がそうは捉えていなかったようです。
利用対象は「医療従事者や社会の機能を維持するために就業を継続することが必要な者」と、やむを得ない事情がある世帯のみとしか通達されていたことが理由に挙げられます。
「子供を見ながら仕事」は無理があることに、多くの人が目を向け始める
コロナで大変な状況なのだから、在宅・テレワークなら家で子供を見て当然、という意見も多数ありました。
しかし、やってみて無理だとわかった人はそれ以上いたのではないでしょうか。
学童や保育園が利用制限しているため、やむなく子供を見ている状況なだけであって、正直仕事にならない状況もあったはずです。
- 子供がいることによって仕事が何度も中断する。仕事に集中できない
- 会議中は声にも気をつけないといけない、家族に気を使わせている(会議中は静かに、など)
- 夫婦で交代して子供を見るには限界。片方に役割が偏ってしまうこともある
- 子供は親がいるのに外に出ることも遊ぶこともできず、ストレスをためている
- 子供に対してストレスを抱えてしまう・苛ついてしまう
- 子供の勉強・宿題を見る時間を取らなくてはいけない
親が家にいたら、子供だって声をかけてしまいます。
そうした事態を少しでも減らすため、苦肉の策として動画やゲームを与えている親も多かったようです。
こうしたことを通して、「在宅勤務」と「子供の面倒を見れる」はイコールにはならないことを、多くの世帯が当事者として実感することになりました。
在宅・テレワークに対する見直しは広がるのか
「在宅勤務で子供を見ることの大変さ」がマスコミでも取り上げられ、家庭内就労に対する見直し論も出てきました。
たとえば千代田区は勤務場所によってついていた保育園の優先度の差を撤廃、さいたま市はおもな就労が自宅であっても一時的なものであれば自宅外と同じ扱いとすると報じられています。
そもそも2017年末の時点で政府から自宅内外で点数の差をつけないよう通達されていたにも関わらず、それまで対策が追いついていなかった状態が問題でした。
それがコロナで多くの人が問題視することとなり、ようやく対応しだしたのです。
コロナがなければ、対応にはもう少し時間がかかっていたかもしれません。
一方、制限され続ける場面も
利用調整の見直しをおこなう自治体が出てきた一方、変わらず在宅・テレワーク・フリーランスの利用制限を強いる自治体もあります。
2020年に最初の緊急事態宣言・解除があった後も、度々緊急宣言がくり返されます。
自治体によりますが、たとえば放課後子ども教室(学童と違い、本来であれば全児童を対象として放課後に遊ぶ場所を提供する場所)など、コロナ禍では利用は就業で両親が日中不在・留守番ができない低学年を基本とすると制限をつけているところも。
さらにはテレワークなどの在宅の場合は利用の対象とならない、と明記してきている自治体も出てきました。
テレワークの場合は預からないと通達されたケース(放課後子ども教室利用者)
学童ではなく、放課後子ども教室を利用する経緯について。
就業しているが17時前にお迎えが可能な勤務形態だったため、学童の申し込みの対象者に当たらず、放課後子ども教室を使うよう自治体窓口で言われていました。
そして、問題なく放課後子ども教室を利用させてもらうことに。
仕事は元々出社形式でしたが、2020年の緊急事態宣言時は子供を家で見るしかなく、その期間は仕事はほぼお休み扱いとしました。
どうしてもしなくてはならない仕事は、早朝や合間、土日などを使って対応しましたが、子供がいる間はまとまった仕事時間をとることは難しかったです。
その後、収束しないコロナに対応すべく、会社ではテレワークが導入されるようになってきました。
しかし翌年2021年、感染者が激増した時期。
毎週のように利用者への一斉メールで放課後子ども教室の利用を控えるよう協力要請がくるようになりました。
また、テレワークなどで在宅の場合は、利用の対象とならない。と明記されるようになりました。
テレワークはあくまで仕事場所が変わるだけで、仕事内容に大きな変化はありません。
子供を見ながら仕事をするには限界があることは、すでに最初の利用制限時にわかっていたし、マスコミでも取り上げられていたことです。
それなのに「家で仕事をする」ことを理由に子供を預かることはできないとすることには、憤りを感じました。
家で子供を過ごすのであれば、仕事は休むしかないでしょう(まともに働けないので休み扱い)。
それでも仕事をする必要があって、かつテレワークだと預かってもらえないのであれば、出社の選択をするしかありません。
もしくは業務時間を長くして、いっそ学童にきりかえればいいのでしょうか。
テレワークが使えればコロナ予防にもつながるし、できるだけ預かり時間を短くするなど工夫はしているのに、はなからお断りだなんて。
預かってもらうために出社や業務の延長を選択するのは本末転倒な気がしてなりません。
もちろん、利用を控えるのもコロナ予防につながるのはわかっていますが、あちらを立てればこちらが立たずの状態に見えます。
なお、「コロナで危険なのに預けるなんて、親としてありえない」「感染が広がっている間くらいは協力してもいいんじゃない」といった意見もあります。
そのご意見もわかりますが終わりが見えないなか、テレワークしつつ家で子供を見続けることや、仕事を休み続けること、不定期な休みをくり返すことは難しいことです。
2020年から始まって、その後1年、1年半と感染者は何十倍にもなりました。
広がっている間とはいつまでですか。危険なのはいつまでですか。
さまざまな意見があるのはわかっていますが、状況を考えた末に預ける人や、預けて感染させてしまった人に対して、批判をするのはどうかと思いました。
保育園でも「在宅勤務なのに預けるなんて」「もっと早く迎えに来て」「遊んでいるのでは」といった空気を感じて肩身が狭い。といった声も聞こえます。
自宅内外で勤務することに、わけ隔てなく対応するよう政府は要請しているものの、自治体や現場レベルから言えばまだ同じように扱うには難しい状況といえます。
【参考サイト】