こんにちは、とはのです。
産後は母子同室、別室のどちらになりますか?
もしくは、選べますか?
母子同室については賛否両論、メリット・デメリットがあると思うのですが、最近(2019年9月)ニュースでこの話題が取り上げられたことにより、自分のときどうだったかなと思った次第です。
実際母子同室したときの状況(体験談)と、ニュースで話題となった内容を合わせてご紹介します。
母子同室を体験。メリットやデメリットはどう感じた?
母子同室にもメリット・デメリットあると思いますが…このあたりは、病院(人?)によっていろんな考えがあります。
あくまで自分の体験をとおしてどうだったのかを、さらっとお伝えしたいと思います。
一人目。メリット? デメリット? わからないことだらけ
一人目・第一子。
はじめての出産・はじめての赤ちゃん・はじめての育児。
はじめてづくしで、なにがなんだかまったくわからない状況です。
わたしの産院では基本母子同室とされました。
赤ちゃんはキャスターが付いている新生児用のベッドに寝かされます。
ちなみに産院の設備はしっかりしている方で、赤ちゃんの異常をすぐに感知できるようなアラーム(なにかあれば、看護師たちが待機する部屋に通知が届く)ようなものが取り付けてあったので、その点は安心感がありました。
赤ちゃんとママは食事やお風呂以外は、つねに一緒の場所にいるのが基本。
母乳指導、沐浴指導……、毎日なにかしら指導する時間があり、そのたびにキャスターをつけたベッドをガラガラ押すママの列。
やることも覚えることもたくさんあり、休憩なんてほとんどありませんでした。
夜はもちろん同室。
廊下で泣いている赤ちゃんの声も毎日聞こえました。
おそらくママが赤ちゃんをあやしているのでしょう。
赤ちゃんは体調がすぐれない人であれば、申し出れば新生児室で預かってもらえますが、実際それをする人はまれ。
とくに初産のひとであれば、どのくらい体調が悪ければ言って良いのかわからないということが大きいのかもしれません。
また「基本母子同室」なので、ちょっと休みたいから…といった気持ちで預けるのは、空気感的に難しいかなと感じていました。
産後は大体5日くらいで退院。あっという間です。
第一子のとき母子同室を体験して、どう思ったか
改めて、第一子で母子同室をしたときのことを思い出すと、メリットとしては、
1週間もたたずに赤ちゃんとの生活が始まるので、入院中に慣らしておいたほうが良いという意味では母子同室は良いのではと感じています。
デメリットは……やはり休めないこと。
産院にもよるかとは思いますが、わたしのところではスケジュールがみっちりで、昼間はそれをこなし、夜は赤ちゃんと二人きり。
また、産後の緊張状態で、うまく眠れないことも、疲労が重なる原因に。
ちなみに一人目のとき、平日はほぼワンオペ。
子供もよく泣く子で繊細な方だったので、気がつまりすぎて、退院後1週間で自然と涙が出るくらい精神的に参っていました。
二人目以降。母子同室ならゆとりと時間が必要だと感じる
続いて、第二子のケース。
同じ産院で出産したため、一人目よりもスケジュールの把握がしやすく、気持ちに余裕が出ました。
ただ、二人目のときは、母子同室が始まる日に子供の様態がすぐれず、母子同室になりませんでした。
子供の様態はそこまで深刻なものではないらしかったのですが、「母子同室でないから休めるしラッキー」とは思えず。
子供の様態が気になるし、母子同室であるはずの子供がいないことに寂しさを覚えて、目は覚めてしまっていました。
結局、母子同室有無に限らず、けっこう緊張して眠れないもんだなと感じました。
第二子のときに感じた母子同室について
母子同室でも休めないし、母子同室でなくても休めないと感じた二人目のケース。
それでも振り返ってみると、母子同室のほうがメリットが多いかなと思う結果に。
理由としては、母子同室であれば昼間だけでなく、赤ちゃんの夜の様子もわかるし、もしものときや疑問なども病院にすぐに確認とれます。
第一子のときにはなかった子供の様態の悪化など、もしも自宅で起こっていたら慌てて何もできなかったかもしれません。
やはり、いきなり家で赤ちゃんのお世話をするよりかは、周りの目がある産院で少し慣らしたほうが良いと感じます。
母子同室の理想条件
ただ、母子同室を経験するにしても、以下の条件であればありがたかったと思っています。
- 出産施設(病院)が母親のスケジュールを詰め込みすぎない
- 出産施設は母子同室は自由に選べる環境にする
→ 様子を見ながら、母親の意思で1日は母子同室を解除できるなど選択できたら良かった
ニュース:母子同室に関する注意喚起
ここからちょっと話は代わり、母子同室に関するニュースについて気になったことがあったので、そちらを取り上げたいと思います。
↓
2019年9月、日本周産期・新生児医学会(以下、団体)は、「母子同室」に関して留意点を公表しました。
なぜそのような発表をしたのか。
それには母子同室に関する調査結果によるものが大きいようです。
母子同室に関する調査結果
団体は全国の産科医療機関や助産所に調査をおこないました。
それによると、返答があった1,682もの産科医療機関のうち、93.6%にあたる1,574の施設で、母子同室が行われていたそうです。
しかし、SIDSやALTEなどの急変は、母子同室の有無に限らず起こることがあり、母子同室の実施の有無と急変の有無に関連はないとの結果が出ました。
母子同室中の急変の調査
団体はその後、急変の経験のある施設のみに、どんな事例だったのか二次調査を重ねます。
そのなかで「母子同室中の急変」の内訳をみたところ、「母と添い寝中の急変」がもっとも多かったそうです。
たとえば、母親が意図せず子供の上に寝返りしてしまったり、口を塞いでしまったりする行動が推測できます。
次いで「母による授乳中」。
授乳しているときにママが寝てしまい、子供に覆いかぶさってしまうことにより、赤ちゃんの急変を引き起こしてしまいます。
ニュース:母子同室に関する注意喚起
調査結果によって、団体は「母子同室の留意点」を発表。
これが今回のニュースです。
安心・安全な母子同室を実施するために、医療機関や助産所に対して適応基準・中止基準、実施前の準備や方法などを公表しました。
適応基準は、たとえば母親は疲労困ぱいしていないか、子供は正期産新生児であるかなど。
母子同室を実施するうえでは、母子はベッドを共有しない、子供は仰向けに寝かすなどといった方法が細かく書かれています。
↓ 詳しい資料を見たい方はこちら ↓
母子同室について/一般社団法人日本周産期・新生児医学会
母子同室の留意点/一般社団法人日本周産期・新生児医学会
https://www.jspnm.jp/uploads/files/guidelines/teigen190905B.pdf
母子同室実施の留意点ポスター/一般社団法人日本周産期・新生児医学会
https://www.jspnm.jp/uploads/files/guidelines/teigen190905P.pdf
母子同室に関する調査の数値を深く見てみよう
ここからちょっと数字が羅列されるので、すこし見づらいかもしれません。
せっかくなので、調査の数値をもう少し深く読み直しています。
母子同室の母との添い寝中の危険度
まず気になったのが、「母子同室の留意点」に記載されていることば。
「母子同室の留意点」の資料内には、
●母子同室中の急変の内訳として、「母と添い寝中」が45%で 最も多くなっていました。
と書かれています。
数字が出ているのがここだけで、この資料だけみると「とりあえず添い寝が危険」って印象だけ受けますよね。
より細かい資料である「母子同室実施の留意点」を見てみるとわかりますが、
急変があったのが77例。
その詳細を調査したところ、母子同室なのが40例。
そのうち「母と添い寝中」に急変があったのが18例。
つまり、18を40で割った割合の45%がそのまま記載されていることがわかります。
「母と添い寝中の急変45%」は、2~3施設のみでのできごと?
さらに数値を見てみると、
1,682施設のうち、急変の経験のある施設が81施設(うち、75が母子同室)。
経験のない施設が1,601(うち、1,499が母子同室)です。
そして
母子同室のベッド環境:急変のあった施設、急変のなかった施設両方ともに、3~4%の施設が母親と同じベッドで母子同室を行っていた。
と書かれているので、「急変経験がある、かつ母子同室」の75施設のうち、母親が添い寝する可能性がある施設は2~3施設ということになります(よね…?)
つまり、「母親と添い寝中に急変があった18例」に該当するのは、今回の調査からは2~3施設。
二次調査に参加したかもしれない助産所3施設を加えたとしても、MAX5~6施設だということに……。
「急変経験がない・母子同室」の1,499施設のうち、母親が添い寝する可能性がある施設はおよそ45施設~60施設あって、そこでは母親と同じベッドで母子同室でも問題なかったってことになりますもんね。
団体がいっていたとおり、たしかに大人と同じベッドで赤ちゃんと寝ること(添い寝)は、危険なことがあります。
ちゃんとした指針を発表するのは良いとは思いますが、ただこの数字を裏付けとして、こういった発表をするのはちょっと違う気もしました。