妊娠したかもしれない。
子供を待ち望む夫婦にとっては嬉しいことかもしれませんが、そうでない人にとっては嬉しさよりも不安のほうが勝ってしまうことがあるかもしれません。
- 誰にどう相談したら良いのかわからない
- 誰かにいったら怒られたり、悲しませるかもしれない
- こわい。どうしよう。
そんな漠然とした負の感情で混乱してしまうかもしれません。
また、初めての子育てでどうしたらいいのか。
周りに助けてくれる人もおらず、自分の精神が崩れてしまいそうなこともあるかもしれません。
今回はこうした負の感情で動けなくなる前に、どうすればよいのか、どこに連絡すればよいのかをお伝えします。
妊娠・育児は誰しも不安になるもの
妊娠を待ち望んでいる人も、そうでない人も、妊娠の事実を突きつけられたとき、かならず不安もつきまといます。
自分の体に変化が起こることや、体の中にもうひとつの命が宿ることに戸惑いが起こるからです。
一人で抱えるには重い事実を、誰にも言えないことは辛いことです。
また、産後もこんなはずではなかったと、後悔するばかりで、ついには自分や子供を犠牲にしてしまうのではないかと不安を抱えるケースもあります。
日に日に不安で押しつぶされないためにも、相談できる場所を知っておきましょう。
相手や身内、周りに相談できないケースが増えている
一番は周りにいる信用おける人、なにより相手に相談できれば良いのですが、そうもいかないときもあるかもしれません。
たとえば望まない妊娠、望まれにくい妊娠だったとき。
- 学生同士でどうしたら良いのかわからない
- 親に言ったら反対されるかもしれない
- 相手と連絡取れなくなってしまった
産後でも、下記のようなケースがあります。
- 夫や家族が周りにいない。相談しても共感が得られない
- 赤ちゃんの泣き声でストレスが溜まる
- 何もしなくても涙が出てしまう
こうしたときの相談窓口は、いくつかあるので利用してみてください。
「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」
まずは有名な熊本県熊本市の慈恵病院が運営する「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」。
相談はメールでも電話でも可能(相談無料。秘密厳守)
さらに電話は24時間いつでも可能なので、不安で居ても立っても居られないときは、まずは電話してみることをおすすめします。慈恵病院の相談員が対応してくれるので、しっかりと話を聞いてくれるはずです。
どうしても育てられない母子のための「こうのとりのゆりかご」
また、慈恵病院では、『産後どうしても育てられない・どうしても相談ができない母親のため、そしてこのままでは育ててもらえない可能性が高い赤ちゃんを守るため』、匿名で赤ちゃんを預かるシステム「こうのとりのゆりかご」も運営しています。
ただし、ここを利用するのは最終手段です。
母子ともに救いたいという願いのもと設立された「こうのとりのゆりかご」は、そこで母親に代わり赤ちゃんを育てるための施設ではありません。あくまで赤ちゃんから危険を守るため一時的に保護するためのものです。
相談をしてもらうことで、いくつか解決法が見つかるケースもあるので、まずは相談ができる状況であれば、上の「SOS赤ちゃんとお母さんの妊娠相談」を利用するようにしてください。
それでもどうしても相談ができない。赤ちゃんをどうにかして守りたいけれど、自分では守りきれないときは「こうのとりのゆりかご」の存在を思い出してみると良いかもしれません。
利用する方法や、こうのとりのゆりかごからのお願いごとなど、詳しくは下の公式HPを確認ください。
「小さないのちのドア」
神戸市北区にある「マナ助産院」の院長が設立した、一般社団法人「小さないのちのドア」。
ここでも慈恵病院同様に相談窓口を設けています。
相談は、電話(24時間対応)・メール・LINEで対応。
とくにLINEは若い人だと利用しやすいようで、学生からの相談が多いようです。
対象は妊娠・育児に不安を抱える人・悩む人
対象は妊娠や育児に悩んでいる人であれば、誰でも利用できます。
もちろん相談は無料です。
「こうのとりのゆりかご」のようなサービスはありませんが、心身ともに疲れて子供とともに倒れてしまいそうであれば、休ませてくれる環境も与えてくれます。また、どうしても育てられない状況に陥った母子には、特別養子縁組や里親へ繋げるようなフォローをしてもらえます。
各自治体が設ける「妊娠SOS」
各自治体・地域でも、基本的に妊娠や育児に関するSOS窓口を設けています。
基本的に電話やメールで受け付けしてくれますが、電話の場合は24時間対応ではなく受付時間が決まっていることがほとんど。
それでも上で紹介した相談場所より、もう少し近い場所で相談したいと思う人や、いくつかの場所に相談してみたい人などは、検討してみると良いでしょう。
「一般社団法人 全国妊娠SOSネットワーク」のページでは、自治体・民間団体が運営する妊娠SOS相談場所と、民間の養子縁組機関を紹介しているので、そちらを参考の上、利用してみてください。
相談は母親と子供を守るための第一歩
相談は基本秘密厳守です。
もしも妊娠・育児に不安や悩みを持っていたら、まずは自分と子供が幸せになるにはどうしたら良いのか、相談をしてみることから始めてみてください。
もちろん、妊娠した当人だけでなく、周りの人が相談するケースもあります。
たとえば学生同士で、相手が妊娠してしまったかもしれない。
そんなとき彼氏のほうが最初に相談してきたケースもあるそうです。
「彼女が妊娠してしまったかもしれない」
そう相談してきた彼氏に、相談員は状況を聞きながら、彼女からもかけてもらうよう促しました。
結果、彼氏・彼女・相談員の3人で相談し、今後を考えたそうです。
このように、もしも彼女が妊娠に不安を持っているが、相談するのも怖がっている場合は、まずは彼氏が電話してみるのも良いかもしれません。
堕ろす・堕ろさないの判断はすぐにしない
「もしも妊娠したら堕ろせばいい」
そんなふうに考えてしまう人がいるのは事実です。
しかし、こうした言葉を安易に言ってしまう人は、「堕ろす」という行為の具体的なイメージが付いていないのだと思います。
「赤ちゃんを殺すこと」ということはわかっていても、実際をイメージできますか。
どのような処置をするのか、そして堕ろされた赤ちゃんがどのような形をしているのか、イメージできていますか。
とくに母親となる女性のほうが肉体的なダメージはもちろんのこと、精神的なダメージを一生負うことになります。
本当に堕ろすことが最善策なのかの判断は最終手段と言っても良いことです。
しかし、もしもその最終手段しか残っていない場合は、たとえば自分が生んでも育てられないからなのかどうなのかも一度考えてみてほしいと思います。
NHKの「“予期せぬ妊娠”に悩む、あなたへ」には、「愛知・赤ちゃん遺棄事件の背景」や「赤ちゃん縁組」に対する情報がまとまっています。
さまざまな状況やケースがあると思いますが、もしかしたらそれはすでに同じような思いをした人や事例があるのかもしれません。
パニックの中、情報を収集するのは辛いかもしれませんが、自分を大切にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。