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結婚・子育て世代。日本は生み育てやすくないと回答61.1%

結婚・子育て世代。日本に対してNoを突き出す調査結果

こんにちは、とはのです。

先日、令和3年版の「少子化社会対策白書」(少子化の状況、少子化に対処するために講じた施策などの報告書)が発表されました。

そのなかのトピックスにあった「少子化社会に関する国際意識調査について」。
5年に一回調査されるこの意識調査には、恋愛や妊娠・出産など、他国と比べてどのような意識が高いかの結果が書かれています。
たとえば、小学校入学前の子供の育児についてや、子供が育てやすい国かどうかなど。

そのなかでも、今回は主に妊娠・出産に関する意識調査結果についてお伝えしたいと思います。

女性アイコン(困り顔)
とくに子供を生み育てやすい国だと思うか、という質問に対して、スウェーデンとの差に愕然としますよ

少子化社会に関する国際意識調査について

  1. 少子化を受けて、内閣府が実施した調査
  2. 少子化の背景にある要因や各国との比較分析をして、日本の特性を把握する
  3. 5年ごとにおこなう

令和3年に発表された国際意識調査の内容

令和3年に発表された内容は、2020年度(2020年10月~2021年1月)にかけておこなわれた調査結果の内容です。

  • 対象国
    日本、フランス、ドイツ、スウェーデン
  • 対象年齢
    20歳~49歳までの男女
  • 調査内容
    恋愛、結婚、妊娠・出産、子育て。新型コロナウイルスが結婚、出産、育児負担に与えた影響

日本に対する経済・雇用に対する不安が浮き彫り

今回は「少子化社会に関する国際意識調査について」の「(3)妊娠・出産」からお伝えします。
「子供を生み育てやすい国だと思うか」の問いにたいして、各国の回答結果は以下のとおり。

図表4 子供を生み育てやすい国だと思うか/少子化社会に関する国際意識調査について(引用)
少子化社会に関する国際意識調査について /内閣府」より引用

スウェーデンの数値が異常な気がしますが、日本の自国に対する期待の低さも気になります。

数値から読み取る自国(日本)への期待度

子供を生み育てやすい国だと思うか。

もし自分がこう聞かれたら、「どちらかといえばそう思わない」を選択すると思います。
もしくは「全くそう思わない」。

どちらにしても、肯定的な選択はしないと思います。

こういった意見が大多数だったようで、「全くそう思わない」が13.9%、「どちらかといえばそう思わない」が47.2%でした。
この2つの合計が61.1%と、実に半数以上を占めています。
この反対の回答となる「そう思う」派は38.3%です。

「そう思う」派はスウェーデンでは97.1%、フランスでは82.0%、ドイツが77.0%なのをみると、日本人がいかに自国に対して希望を持っていないかがわかりますね。

生み育てやすい国だと思う理由は「治安」が一位

さきほどの質問に対して、「生み育てやすい」と回答した理由についても結果が出ています。(こちらは複数回答)

図表5 子供を生み育てやすい国だと思う理由/少子化社会に関する国際意識調査について(引用)
少子化社会に関する国際意識調査について /内閣府」より引用

日本の中で30%以上を占める上位の理由は

  1. 地域の治安がいから(52.0%。前年度から0.7%上昇)
  2. 妊娠から出産後までの母体医療・小児医療が充実しているから(46.1%。前年度から6.0%上昇)
  3. 教育費の支援、軽減があるから(39.0%。前年度から6.0%上昇)
  4. 各種の保育サービスが充実しているから(37.9%。前年度から10.2%上昇)
  5. 公園など、子供を安心して育てられる環境が整備されているから(32.0%。前年度から2.4%上昇)

他国と比べると、日本の地域の治安の良さにメリットを感じる人は多いようです。
しかし、それ以外の理由についてはすべて低水準。

日本は経済的不安、雇用不安が要因か

「そう思う」派が97.1%もいるスウェーデンは、治安の良さについては日本に負けるものの、それ以外の数値が高水準。

項目 スウェーデン 日本
教育費の支援、軽減があるから 84.1% 39.0%
育児休業中の所得保障が充実しているから 83.1% 8.2%
各種の保育サービスが充実しているから 71.5% 37.9%
妊娠から出産後までの母体医療・小児医療が充実しているから 71.0% 46.1%
雇用が安定しているから 70.1% 10.3%
フレックスやパートタイムなど、柔軟な働き方ができるから 66.8% 17.0%

育児休業中や雇用の安定さ、フレックスやパートタイムなどの柔軟な働き方に大きな開きがあります。

たしかに、日本でこの項目をチェックする人はまれですね。
前回(2015年)の調査と比べれば、数値が上がった(改善した)項目もありますが、まずは雇用の安定・収入の安定が最優先だともいえます。

少子化社会対策白書からも裏付けされた情報

令和3年版の「少子化社会対策白書」には、出産・子育てをめぐる意識等も掲載されています。

理想子供数は2.32(人)。予定子供数は2.01(人)。
理想子供数が2.32人ということは、子供3人以上を希望している人がいるということ。
反して予定子供数が2.01人ということは、子供3人以上を希望していても、実際は2人までとする人が多いということになっています。

理想子供数よりも予定子供数が多い理由の調査結果を見ると、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が第一位。
先ほどの「生み育てやすい」国かどうかの調査結果を裏付ける形となっています。

子供が成人までにかかる費用と現状

もちろん年齢的なものも大きく関係していると思いますが、どの年代であっても将来への雇用や収入が不安定な限りは「子供をたくさん生む」という選択肢は選べません。

平成30年度子供の学習費調査の結果について/文部科学省」によれば、小学校~高校まですべて公立で通ってもおよそ541万円。
私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について/文部科学省」では、私立大学に初年度だけでもおよそ134万円かかります。
授業料と施設設備費で109万円程度かかるので、大学2~4年の間を合計すれば329万円。大学4年制だと最低463万円ほどかかることに。
(費用は調査結果内容を受けて、おおまかな数値で表しているので、かならずしもこの限りではありません)

学費だけでおよそ1,000万円。
それ以外に学用品、教育費、習い事、生活費、そのほか諸々かかります。

子供が高校から私立だったら、さらに数百万かかります。また、大学も学部によって差が大きいですね。小中高では卒業旅行・林間学校などのイベントで予定外の費用もかかります。予定より費用がかかることも想定して、1人あたり1500万~2000万と考えていたほうがいいですね
女性アイコン2(うーん)

いま20代30代で意欲的に働けて、安定した収入が得られていたとしても、子供が成人する20年間の間にそれがどのように変化するのか。
変化しても大丈夫と思う人が増えるような対策が整備されていけば、調査結果にも数値としてあらわれるのではと感じます。

 

【参考サイト】


女性アイコン(通常)
今回の記事は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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