こんにちは、とはのです。
今回は育休後に復帰しない場合の話について、お伝えしたいと思います。
ポイント
保育園不承諾などで預け先が決まらない場合は、1歳→1歳6か月に延長。
さらにそこでもだめなら、子供が2歳になるまで育休を延長できます。
さて、この育休制度。
復職されることを前提に取得が可能ですが、復職せずに退職や転職することは可能なのでしょうか?
結論から言えば可能ですが、いくつか留意することもあります。
その点も踏まえてお伝えします。
育休明け、かならず復帰・復職しなくはいけないのか
育休明けは、かならず復帰・復職しなくはいけないのでしょうか。
これはNoです。
育休取得した職場に復帰や復職せず復職せずに退職や転職はできます。
育休中にもらうであろう「育児休業給付金」を返還する必要もありません。
ただし、相応の事情がないと、後々困ることになるかもしれません。
現職(在籍会社)とのトラブル・リスク
まずは育休休業を許可してくれている会社(現職)とのリスクです。
あなたに対する会社の心象は悪化
育児休業は復職されることを前提に取得が可能です。
つまり会社としては、取得者が復帰できるポストを常に考えておかなければなりません。
人員配置や業務バランスも考える必要があります。
たとえば1年で復帰の予定が、保育園不承諾で延長されたとします。
保育園の結果がでるのは、新年度入園であれば1月下旬~3月上旬、年度途中であれば前月の中下旬です。
結果がわかるのが間際なので、会社は期限ギリギリまで、その社員が復帰するかもしれない可能性を視野にいれておかなければなりません。
そして結果は不承諾。
育休延長の間、いつ復帰しても対応できるようにする必要があります。
またその社員にふる予定の仕事は、ほかの人が代理で担当します。
さらに1年6か月の期限でも不承諾。再延長手続き。
そして2年…もう延長できない状況で、突然の退職や転職の報告。
延長期限が延ばせないため、やむなくならば多少はわかるかもしれません。
また、事前に何度か相談があれば、また違うかもしれません。
しかしなんの相談もなく、勝手に結論(転職、退職)だけを提示された場合や、単純に引き伸ばすだけ引き伸ばして、辞めるつもりだったと匂わす行動がわかった場合、会社としてはどのように感じるでしょう。
退職・転職後のやりとりで気まずい
退職や転職をするとして、それを伝えれば終わり、ということではありません。
退職や転職するまでの期間に、会社側から書類を受け取ることもあるはずです。
また、転職後に前の勤め先から必要な書類をもらってほしい、などと言われるケースもないとはいいきれません。
円満な退職をしていれば問題ありませんが、そうではない場合は退職後のやりとりに精神的な負担を強いられる可能性があります。
育休取得者に対する不信感を募らせる
会社と悪化したまま、退職・復職をした場合、あとに続く育休取得予定者は肩身の狭い思いをするかもしれません。
こうした前例があると、会社は育休取得制度に対して消極的な態度を取るし、育休取得者に対しても不信感を抱く可能性があります。
転職活動中のリスク
育休中の転職活動におけるリスクについても触れておきます。
転職活動の負担増
育休中なので、当然小さい子を抱えながらの転職活動となるはずです。
面談の予定がついたら、今度は子供の預け先を考えないといけません。
預け先があれば運よく見つかれば良いですが、なかなかそうもいかないはずです。
小さい子自身の人見知りもあるため、泣いている子供を預けることに対する精神的負担も増えます。
条件に当てはまる企業は少ない
育休中の人を対象とする企業はあまりありません。
すでにいる社員ならともかく、あえて小さい子がいる求職者を雇う企業も少ないでしょう。
転職先の企業の心象も悪い
育休を取得しているのに、転職を考えている求職者については、相手の企業の心象も悪いです。
- たとえ自分のところに入社してくれても、同じことをくり返すのではないかと不信感が募ること
- 育休を取得している会社に対して、どのような思いを感じているのか
など気になる点も出てくることでしょう。
預け先を確保しておく必要がある
もしも求職活動がうまくいったとしても、預け先を確保しておかなければ働くことができません。
「内定をもらったら保活」では確実に遅すぎるため、求職活動と並行して預け先を決めておく必要があります。
ファミリーサポートや一時預かりなども使うことができるか、並行して検討をすすめていかなければなりません。
認可保育所については、育休・フルタイム勤務予定であれば、それなりに指数(保育園への入園の優先度を決めるための点数)が高いですが、それはあくまで育休している会社に復帰するのが前提の話。
異なる会社に転職するとなると、指数が変わる可能性もあります。
一般的に育休復帰予定の人より少なくなる傾向のため、認可への保活は厳しいものと留意しておきましょう。
転職・退職する場合は、相手に納得できる理由を持つこと
もしも退職をする場合は、納得できる状況や理由を持っておくべきです。
たとえば
- 家族の転勤によって復職できない状況になった
- 家族の介護(子の病気)が発生したため、働くことが難しくなった
など。
転職の場合は、活動先の企業に対して納得できる状況の提示が必要
また、転職の場合は、活動先の企業に対しても納得できる状況を伝える必要があります。
その際は、自分としては復帰したいと思っていたが、努力してもできない状況にだったこと伝えると効果的です。
たとえば
- 復帰後の業務について、会社と調整を重ねてきたが、どうしても難しいという回答だった。
自分としては復職をしたいと思っていたが、このままだと会社にも迷惑がかかる。
こうした理由とともに、
- なぜ面接先の企業を希望したのか。
- 自分はなにができるのか。
- 会社にどう貢献できるのか。
- 子供がいるリスクを踏まえても、アピールできる点
これらをしっかりと伝えれば良いと思います。
面接前の時点で、ある程度現職の退職・転職理由や志望動機を示しておかなければ、おそらく面接にすらたどり着けないと思います。
それぐらい厳しい転職活動となる可能性が高いことは留意しておきしょう。
例外あり。無理せず退職(離職)・転職も視野に入れるケース
ただし例外もあります。
- 勤めていた企業がブラック企業
- 会社的になんらかの問題がある
- 人間関係に問題がある
- 業績があやしい(復帰後にすぐに退職をせまられそう、など)
復帰することで、精神的・体力的に自分を壊す可能性があるのであれば、すみやかに退職や転職を視野に入れて良いかと思います。