こんにちは、とはのです。
今回は子供、とくに幼児の食べ物による窒息事故についてお伝えします。
(救急法については、食べ物以外の窒息事故も同様なので、参考にしてください)
ここに注意
以降については、現在、緊急事態ではない人向けの内容です。
上記の緊急事態にそなえた情報も再度お伝えします。
5歳以下のお子さんがいらっしゃる家庭や、子育てをしているご家庭、これから出産を控えているご家庭であれば、
- どのような食べ物が危険か、避けたほうがよいか
- 食べ物が詰まった場合の対処や救急法
を参考にしてもらえたらと思います。
幼児は避けたほうが良い食べ物
定期的に子供の窒息事故は報道されていて、平成26年~令和元年までの6年間で食品によって窒息した5歳以下の児童は73名。
内容を見ると、事前に注意喚起されていた食べ物であるほか、対処を知っていれば大事に至らない可能性があるケースもあります。
子供、とくに幼児にとって、できるだけ避けたほうが良かったり、食べ方を工夫したほうが良い食べ物を紹介します。
豆・ナッツ類
奥歯が生え揃わない幼児の場合、固まりのまま飲み込んでしまう恐れがあります。
その場合、喉や気管に詰まらせてしまう可能性が高く、肺炎や窒息を起こすリスクがあります。
節分豆は3歳児以上のお子さんでも、たびたび危険になったというニュースが出ます。
最低でも6歳以上のお子さんから出すようにして、食べさせるときは大人がしっかりと見る・口に入れているときにふざけさせない・あるきまわらせないなど注意を払う必要があります。
それ以下の年齢では、節分のときなど、豆をあげるのは控えたほうが安全です。
プチトマト
四等分にすれば安全性も高まりますが、保育園では提供を控えているところが多いです。
日本小児科学会は、4分の1以下にカットしてから与えることを推奨しています。
うずらの卵
丸くてツルッと入ってしまう可能性があります。
等分にしても、気道が小さな幼児の場合は危険な場合があるため、低年齢児にはすりつぶすか使用しないほうが安全です。
飴・ラムネ
丸く小さいため、飲み込みやすいです。
とくに溶けづらい飴は危険なので、幼児に与えるのは控えましょう。
児童になっても、飴を含んだまま動き回ると危険なので、注意が必要です。
餅・白玉団子
粘着性が高く、喉に詰まりやすいです。
とくに白玉は表面がつるつるしているため、誤って飲み込みやすいので注意が必要です。
保育園でも提供を控えています。
いか
加熱すると固くなってしまい、噛まずにそのまま気道に入るケースがあります。
えび・貝類
固くて乳幼児では噛み切れないケースがあるため、保育園でも0歳・1歳児クラスでの提供は控えている食材です。
食べるのであれば、奥の歯茎がしっかりとしてくる1歳児以降からが良いでしょう。
(可能であれば、完全に奥歯が生えた2歳児以降のほうが安全かもしれません)
おにぎりなどの焼き海苔
海苔も大きさによっては噛み切れなかったり、口の中に貼いたりする危険があります。
刻み海苔(月齢によっては、さらに細かく刻む)などを利用しましょう。
また、一度に大量の海苔を口の中に入れると、口の中の水分を吸って、詰まりやすくなってしまいます。
食材と混ぜてからにしたり、量を調節したりしてから口に入れるよう注意しましょう。
こんにゃく
こんにゃくは危険なため、使うのであれば「糸こんにゃく」。
糸こんにゃくは1cmに切って使用しましょう。
ソーセージ
ソーセージは4歳以上でもうっかり飲み込んでしまって窒息になりかけるケースもあります。
1本丸々ではなく、縦半分に切っておくなどすると、予防にも繋がります。
口の中の水分を吸収するもの
パン、ゆで卵、お芋、カステラ、ドーナツなど。
細かくしたり、すりつぶしたり、なにかと混ぜたりして口に詰まらないよう注意してください。
また、口に入れる前に、水分を摂取して口を潤しておくなどするのも効果的です。
ぶどう・さくらんぼ
丸くて小さい形のぶどうやさくらんぼは、飲み込みやすいため大変危険です。
実際に巨峰を1歳未満の子に与えて、窒息事故も起こっています。
また、皮が喉に貼りつく可能性があります。
皮をむいて食べるぶどうも、皮のむきのこし、大きさに注意が必要です。
日本小児学会では4歳以下の子どもには、ブドウを1/4以下の大きさに切って与える」
そのほか(丸い形・球体のもの)
飲み込みやすい丸い形や球体のものは、危険です。
たとえば、半分にした枝豆でも、2歳未満の幼児が窒息しかけたといった話もあります。
(日本小児科学会が運営するサイトでは、枝豆は5歳以下には与えないでと呼びかけています)
飲み込みやすいものはすりつぶすか、もう少し上の年齢になるまで提供を控えましょう。
そのほか(滑りやすいもの)
ゼリーなども滑りやすいため、0歳・1歳に与えるときは注意をしてください。
与えるのであれば、吸い込む形のゼリーはやめましょう。
月齢が小さい子であれば、赤ちゃん専用のものとして、大人が食べるゼリーは避けてください。
※こんにゃくゼリーなど弾力性・固いものは絶対にやめてください。
乳幼児・高齢者共に危険です。
食べ物が詰まったとき。窒息の対処法・応急処置
冒頭に書いた内容と重複しますが、万が一のときのための手順として、もう少し詳しく解説します。
窒息の応急処置
step
1窒息のサイン(チョークサイン)を確認
- 急に顔色が悪くなる
- よだれを垂らして、苦しそうな表情をする
- 喉をおさえる仕草をする
窒息のサイン(チョークサイン)に気がついたら、すぐに処置をしましょう。
ここに注意
異物が取り出しやすい位置にあるとき以外は、やめましょう。
step
2意識の有無の確認と119番
呼びかけに反応するなど、意識があった場合はすぐに異物除去と「119番」をしてください。
もしも救護者がひとりのときだったら、異物除去をしてから「119番」。
ただし数回やって無理そうだったり、すぐに意識が無くなりそうだったりしたら、すぐに119番をしてください。
step
3意識が合った場合は、異物除去
異物除去は、「背部叩打法(はいぶこうだほう)」と「腹部突き上げ法」があります。
(以下、「東京消防庁公式チャンネル」がわかりやすいので、YouTube動画もまじえてお伝えします)
異物除去(背部叩打法。1歳未満)
1歳未満の場合は「背部叩打法」をおこないます。
背部叩打法は、救護者の片腕に子供(1歳未満の乳児)をうつ伏せにして、手のひらで子供の顎を支えます。
体は頭よりも上の市にして、子供の背中の真ん中あたり(肩甲骨の間あたり)を、手のひらで5~6回強めに叩きます。
大人の場合も、腕を後ろから前へ回して、顎を固定。
背中を強く叩きます(もしくは、次の「腹部突き上げ法」を試してください)
異物除去(腹部突き上げ法。1歳未満・妊婦はNG)
腹部突き上げ法は、背後にまわって脇の下から前に手を回します。
片手は握りこぶしを作ってへそとみぞおちの中間あたりに当て、もう片方の手はその手をしっかり握ります。
そして、すばやく斜め上にひっぱって、圧迫します。
※この方法は内蔵を痛める可能性があるため、乳児や妊婦にはできません。
また、実施した時には、到着した救急隊に伝えて、医師の診断をしてもらいましょう。
step
4意識がない場合は心肺蘇生法・AED
意識がない場合は、すぐに心肺蘇生法をおこないます。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)を30回、人工呼吸を2回(1回1秒かけて吹く)
これをくり返してください。
またAEDが準備できたら、音声に従って使いましょう。
胸骨圧迫は、乳児の場合は指2本、小児(1歳以上15歳未満)の場合は片手もしくは両手、成人の場合は両手でおこないます。
方法については、動画がわかりやすいので確認しておきましょう。AEDの使い方も解説されています。
万が一に備えて。予習と印刷&スマホ登録が大切
とっさのことが起きると、なにをすればいいのかパニックになる人も。
なかには救急車が何番かすら忘れてしまう人もいます。
そうならないためにも、万が一なったとしても、すぐに判断できるような予習と対策をしておく必要があります。
「背部叩打法」と「腹部突き上げ法」など、クッションや座布団でもいいので、一度は試してみてください。
やっておくのと、やっていないのとでは、もしものときに差がでます。
また、心肺蘇生法の動画も一度最後まで確認しておくと安心です。
また、もしものときはどうするか、紙で確認できる環境も整えておきましょう。
「日本医師会の救急蘇生法」では、それぞれの手順をイラスト入りで解説しています。
さらにその内容をダウンロードできるので、印刷しておいてください。
「スマートフォンや携帯電話に「日本医師会 救急蘇生法」を登録する方法」もあるので、そちらもあわせて対応しておくことをおすすめします。
【参考サイト】