こんにちは、とはのです。
今回は分娩の種類について、お伝えします。
分娩・出産の方法や計画をたてることを、「バースプラン」といいます。
最近ではこのバースプランが多様になってきています。
バースプランの要ともなる「分娩の種類・出産方法」について、大まかに分けると以下のとおりです。
- 自然分娩・普通分娩
- 無痛分娩・和痛分娩
- 帝王切開
- そのほか(吸引・鉗子分娩、水中分娩)
順にどういったものかをお伝えします。
自然分娩・普通分娩の概要
まず一般的な分娩といえば、「自然分娩」でしょう。
自然分娩は普通分娩と呼ばれることもあります。
自然分娩とは、自然に陣痛が始まるのを待って、赤ちゃんがゆっくりと産道から分娩する方法。
ポイント
自然分娩の場合、特別な器具や薬剤は使わないものとされています。
たとえば、陣痛誘発剤を使ったり、吸引器具を使った場合などは、厳密には「自然分娩」とはいわないです。
自然分娩のおおよその時間
自然分娩の場合のおおよその時間について。
日本産科婦人科学会によると、陣痛が始まってから、赤ちゃんが誕生し胎盤を娩出するまでのトータル時間は、初産婦の場合は12~16時間。経産婦の場合は5~8時間としています。
無痛分娩・和痛分娩の概要
最近増えている無痛分娩(むつうぶんべん)について、お伝えします。
無痛分娩とは、陣痛を緩和し、出産・分娩に対する恐怖やストレスを軽減する分娩方法です。
産道から出産するので、自然分娩と同じ「経膣分娩」に分類されます。
陣痛を緩和する方法は産院(出産する病院)によって異なりますが、「硬膜外麻酔」もしくは「脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔」という方法で麻酔を使うことが一般的。
無痛分娩をおこなっている病院については、「無痛分娩関係学会団体連絡協議会(JALA)」に掲載されているので、気になる方は確認してみてください。
無痛分娩と和痛分娩の違い
無痛分娩以外に、「和痛分娩(わつうぶんべん)」という言葉も増えてきました。
無痛分娩と和痛分娩の違いについて、明確に取り決められてはいません。
ただ、和痛分娩も無痛分娩同様、陣痛を緩和し、出産・分娩に対する恐怖やストレスを軽減する分娩方法であるとされています(当然ながら経膣分娩に分類されます)。
無痛分娩と同じ処置をしつつも、それを「和痛分娩」と呼ぶ病院もあれば、無痛分娩と違う方法で痛みを和らげる方法を和痛分娩と呼ぶところもあります。
つまり無痛分娩と和痛分娩にどう違いをつけるかは、その産院の判断によります。
「思っていた和痛分娩と違う!」と失敗しないためにも、無痛分娩、和痛分娩を提供する病院の場合は、どういった処置をするのか事前確認が必要です。
帝王切開の概要
昔から自然分娩と比較していわれやすいのが、帝王切開(ていおうせっかい)。
帝王切開とは妊婦のお腹と子宮を切開して、直接胎児を取り出す方法です。
帝王切開は一般的に妊婦、もしくは胎児のどちらかに状態の問題が生じたため、産道(膣)からの分娩が難しいと判断された場合に選択されます。
様々な出産方法のなかでも、唯一「経膣分娩」ではない出産方法といえるでしょう。
なお、帝王切開には二種類あります。
- 予定帝王切開
- 緊急帝王切開
予定帝王切開
予定帝王切開は出産前から帝王切開を予定しておくことです。
帝王切開を判断する期限は、大体妊娠36~37週ごろまで。
赤ちゃんや母体の様子、そして健診結果をもとに産道からの分娩が難しいと判断されれば帝王切開となります。
予定帝王切開となるおもな理由は以下のとおりです。
- 逆子(胎児が子宮内で頭が上の状態になっている)
- 多胎妊娠(双子や三つ子以上)
- 前置胎盤(胎盤が子宮の出口をふさいでいる)
- 子宮筋腫(大きさや位置などによる)
- 過去に帝王切開をした場合(母体の様子によっては、帝王切開が必須ではないケースも)
- 高齢出産(必須ではなく推奨とされることもある)
これ以外に、なんらかの理由で妊婦が希望した場合なども、医師の判断のもと予定帝王切開となるケースもあります。
緊急帝王切開
予定帝王切開以外の状況で、帝王切開を選択することになった場合は「緊急帝王切開」となります。
たとえば、妊娠中や分娩している最中になんらかのトラブルが発生した、もしくは母体・胎児に危険がある場合に選択されます。
経膣分娩(自然分娩や無痛分娩など)を選択していても、胎児の心音が低くなっている、胎児の首にへその緒がからまっている、母体の出血が激しいなど、緊急度が増している場合は即帝王切開となるはずです。
そのほか(吸引・鉗子分娩、水中分娩)の概要
そのほかの出産・分娩方法をざっとご紹介します。
吸引分娩・鉗子分娩
吸引分娩はゴム素材の小さなカップを膣に入れて、胎児の頭に装着。吸引圧をかけて胎児を引っ張って出産を促す方法です。
鉗子分娩はふちが丸く、赤ちゃんの頭に合うように湾曲されている金属製の手術器具(はさみを思い浮かべるとイメージしやすい)を膣に入れて胎児の頭をはさみ、引っ張って出産を促す方法です。
どちらも子宮口が全開になっているのに、胎児の頭がなかなか下がってこなかったり、胎児の心音が低くなっているときなどに使われます。
水中分娩
1980年代ごろにフランスの産婦人科医によって開発された水中出産。
現在では専用のプールや浴室を利用して、水の中で子どもを産む出産する方法とされています。
水の温度はおよそ37度。温かいお湯で妊婦の体と心の緊張をほぐしたり、陣痛を和らげる効果があります。
ただし、水中分娩を提供している場所は少なく、また他と比べて症例も少ないです。
イメージだけで選ばないように、提供している病院の情報や体験談などをしっかりと確認のうえ、希望をしましょう。
【参考サイト】