こんにちは、とはのです。
保育園の入園可否について、こんな質問を受けました。
答えとしては「はい。」ですが、最重要事項ではありません。
どんなときに年収の高い・低いが影響してくるのか、今回はその点についてお伝えします。
※本サイトの「保育園」は基本的に「認可保育所」を表します。
※内容は記事執筆時点のものです。また、選考方法は各自治体によって異なります。一例としてご参照ください。
保育園の選考方法。利用指数が最重要事項
まず保育園の選考方法から確認してみましょう。
保育園の受け入れ枠より、多い人数の希望者がいた場合に入園選考(利用調整ともいわれる)がおこなわれます。
入園選考については、申込時に出した書類に基づいて、利用指数(点数、ポイントといわれたりするもの)が付けられ、その指数が高いひとから選ばれるようになっています。
つまり、利用指数をいかに高くするかが、保育園の入園のポイント。
利用指数に含まれるもの
利用指数の項目について、一般的には以下のものが指数に影響してきます。
- 勤務の実態(月の勤務日数、1日の勤務時間、外勤か内勤か)
- 内定
- 内職
- 求職
- 出産
- 心身障がい
- 疾病
- 介護または看護
- 両親不存在
- 災害
そのほか、就学するためや、明らかに保育が必要などの項目に含まれるケースがあります。
また、保護者が保育施設勤務者であることや、育休復帰者、居住地がどこなのかも指数に関係してくるケースもあります。
注意ポイント
詳しくはお住いの自治体の保育所申請に関係する書類をご確認ください。
項目によってはマイナスになることも
指数はプラスになるだけではなく、マイナスの評価をつけることもあります。
たとえば、保育料を納税していない世帯や、保育園の内定辞退をした場合などがマイナスとなりやすいです。
保育園の選考。優先順位と年収の関係
では、利用指数が同一の世帯があったときはどうなるのか。
そのときは「優先順位」と呼ばれる項目で判断されます。
そして、この優先順位の中に、「年収が関係する」項目があります。
年収の高い・低いが関係する項目とは
年収が関係してくるのが、「所得割課税額」の項目です。
所得割額とは前年の1月から12月までの所得金額に合わせて課税される税のこと。
つまり、年収が高ければ高い、低ければ低くなる税金のことですね。
大抵の場合、この「所得割課税額」が低い人から優先される、と記載されています。
「所得割課税額」項目は、第一優先にはならない
優先順位の項目は、だいたい5~6個程度あります。そして上に書かれている項目から順に適用されていきます。
「所得割課税額」が優先順位項目の一番最初の項目として記載されている自治体は、あまりありません。
(すべての自治体を調べているわけではないので、なかにはあるかもしれません)
つまり、「保育園の選考で、年収が高い・低いが判断になるケースはあるものの、優先順位項目としては低い=保育園入園可否の判断材料とされる可能性は低い」のです。
待機児童が多い地域・保活激戦区では重要事項になりうることも
待機児童が多い地域や、同じ指数の人ばかりがいる地域だと、所得割課税額が合否の分かれ目になることがあります。
たとえば保育を希望する世帯のほとんどが
- 育休復帰予定である
- 保護者の父母どちらもフルタイムの就業である
- 子供の人数が一人しかいない
- すでに子供(申込児童)を、認可外保育施設に有償で預けている
など、できうる限りの指数を集めている状態であった場合は、最終的に「優先順位」の項目で優劣をつけるしかありません。
さらにその「優先順位の項目」で「所得割課税額」が一番最初の項目ではないにせよ、その上に記載されている項目が一般的に満たす人がほとんど(たとえば、保育料を滞納していない世帯、すべての書類を提出している世帯、など)であった場合は、ある意味「所得割課税額」で入園可否の判断がされることになります。
まとめ
以上のことをまとめてみると
- 年収の高い・低いが保育園の内定可否の判断材料にはなりますが、最優先事項ではない
- 年収以外で評価される「利用指数」の項目で、できうるかぎり点数をとることのほうが重要
となっています。
そのうえで、下記の内容を満たす場合は「年収が保育園内定(保活)の可否を決める重要項目のひとつとなる」と考えても良いでしょう。
- 待機児童が多い地域である
- 同一指数世帯があつまる地域である
- 優先項目の内容で、所得割課税額が上の位置にある
- もしくは、所得割課税額より上にある優先項目が、一般的に満たす人がほとんどである内容である
「年収が高いから、保育園は無理だ!」と考える前に、まずはお住いの地域の指数項目の確認と希望園の最低指数がどれくらいかの確認をしてみてください。